NHKウィークエンド関西(平成19年2月24日放送)
-Vリーグ女子優勝の鍵握る新セッター



今日はバレーボールの話題をお伝えします。
バレーボールのVリーグなんですけれどもプレミアリーグ、 今ちょうどシーズン半ばということなんですが、
女子の部門でトップに立っていますのが、神戸市で練習拠点を持っています久光製薬ということになります。

 

その久光を率いている監督がですね、かつて全日本男子の名セッターだった真鍋監督、
セッターというのはゲームをコントロールするわけですから、経験が非常に重要なんですが、
かつての名セッターの真鍋監督がですね、今シーズン抜擢したのが、
今までまったく(Vリーグで)セッターの経験がない、若い橋本選手なんですね。
そこで今日はかつての名セッターと、大抜擢の若きセッターをご紹介することにいたします。

    

ナレーション)
昨シーズン2位の久光製薬は、元全日本代表選手を中心にリーグトップクラスの攻撃力を生かして、
現在1位です。

       

チームを率いるのは真鍋政義監督です。これまで日本リーグとVリーグで合計5回優勝を経験、
2年前に久光製薬の監督に就任しました。

   (髪型に注目)

真鍋監督は1988年のソウルオリンピックに出場、井上譲選手、川合俊一選手などとともに戦い、
全日本で通算10年トスを上げた日本バレー界屈指の名セッターです。

その真鍋監督は、自分の経験してきたポジション:セッターが今シーズンの鍵を握ると見てきました。


        (主役は誰だ)

セッターは4年目の若手、橋本直子選手、身長が1m72cm、トスの安定感が持ち味です。
これまでセッターとしてVリーグに出場したことは全くありませんでした。
今シーズン、セッターのレギュラーに抜擢されました。

     

ムック 「最初の頃は試合の内容は“まっっったく”覚えていない…頭の中は真っ白、みたいな」

   

真鍋 「 トスがまず安定しているということと、ウチのチームでも一番良く練習をする選手ですねぇ。
また、マジメなんですよ。 始めの頃思ってたよりは、まぁ50%ぐらいですかね、まだ。これから期待してます」

*****
場面は変わり、体育館内の一室にて

   (双方、薄笑い)

真鍋監督 「よし、やろか」


ナレーション)
試合前、真鍋監督の特別授業を受けなくてはなりません。
これから対戦する相手のビデオを見ながら、トスワークについて話し合いを行います。
どこにトスを上げると一番効果的か、様々なケースを想定し、その対策を考えていきます。

      (演技入ってます)

真鍋監督が現役生活で習得したノウハウを橋本選手に伝え、経験不足を補います。

  

真鍋監督)
やはりセッターというものは、指一本でね、スパイカーをこういう風に、行きますからね、
そういう意味じゃ、いろいろ予行演習をして、紙の上で全戦全勝しないと、
やっぱりコートの上で何があるか分かりませんから、やはりそこでセッターが迷ってしまうとすぐ顔に出て、
スパイカーが不安になるんですよね。
そのためにも、いろんな状況を踏まえて、紙の上ではしっかり予行演習しておく、と

   

ムック 「私にとっては絶好の監督だと思います、はい。 やっぱり自分がセッターをやっていたっていうのもあるから、
たぶん私の気持ちも分かってくれているし …すごい安心して私もコートに立てるので、いいと思います」


       (皆さんに助けられ)

開幕から16試合、13勝3敗と久光製薬は現在トップ、そしてチームのアタック決定率も現在リーグで1位、
全日本の選手を中心とした経験豊富なアタッカー陣が橋本選手を支えます。

      (大御所登場)

成田 「相手に合わせてこうしようとか、自分達がこうだからということよりも、
今の流れがこうなっているからというのが、だいぶ見れるようになってきたんじゃないかと思います」

  

真鍋 「特にセッターは、やはり1本でも試合で多く上げて、試合に勝つというのがやっぱり自信になりますから
今年はどうしても優勝することによって、彼女はより一層、一段階アップすると思いますね」

  

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以下、スタジオより

「かつての名セッターに抜擢された若きセッター、久光製薬、優勝への鍵を握っている選手です。
この二人のやり取りを見ていますと、監督っていうのは、ただチームの勝ちを取りに行くために、
チームの勝ちだけを考えるんではなく、選手の育成もして、それがそのチームの優勝なり勝ちに
繋がっていくっていう、本当に大事な役割なんだなっていう」

「かつての名セッターだからこそ、良いセッターを育てられるっていうこともあるかもしれませんね」


〜以上〜